猛吹雪のような雪の中を走り抜けると快晴、そしてまた雪(Feb. 17, 2012)

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 病院の診察が住んだのは昼過ぎで、陽射しも明るいのでこれならば八ヶ岳までオートバイに乗って帰れるだろうと思い、八王子のコクボモータースへ急いだ。しかし、電車で八王子に着くと、いきなり雪が舞い始めた。わが家の近くの雑貨屋さんであるYさんに電話して天候を確認すると、只今現在晴れているという。しかし、夕方から雪の予報だというのはぼくも天気予報でチェック済だ。コクボモータースに着くと社長さんは食事で外出していたので店長さんが対応してくれた。天候のことが気になる、とくに笹子トンネル付近が心配だと話すと、笹子トンネルの甲府側にある大和村の道の駅に天候を問い合わせてくれた。快晴だということだが、心配なのはむしろトンネルの此方側であると再度不安を口にすると、初狩PAにも電話で確認してくれた。快晴だという嬉しい回答。これならば何とか八ヶ岳まで乗って帰れそうだと思い、ハーレーダビッドソンスイッチバック受け取りのための最終的な手続きをする。
 3時過ぎにコクボモータースを後にして八王子インターから中央高速に乗る。いつの間にか空は灰色の雲におおわれている。気温も低くなった。グリップヒーターが暖かい。天候の不安を抱えながらも、スイッチバックの軽快な走りを堪能する。まだ慣らし運転なのでスピードは控えめにし、エンジンの鼓動も楽しむ。しかし、西へ進むほどに空は暗くなり、上野原の手前でついに恐れていた雪が降り始める。雪は次第に激しくなる。大月の手前ではもう視界もよほど悪くなり、車もスピードを落としている。まるで吹雪の中を走っているようだ。新しいタイヤは滑るということなのでいやが上にも不安と緊張が募る。とりあえず大月インターで高速を下りるべきではないのかと思い悩むが、下道に下りたところで雪の危険がなくなるわけではない。むしろ甲州街道の曲がりくねった道、とりわけ笹子トンネル前後の峠道は高速よりも危険なのではないか。高速を飛ばしてこの雪の降っている区間をなるべく早く抜け出した方がよいだろう。笹子トンネルを抜ければきっと青空が見えるはずだ。予想は的中し、大月を過ぎて、笹子トンネルに向かって走っているといつの間にか雪は降っておらず、山の上には青空が見える。笹子トンネルを抜けると、甲府盆地は明るい日差しに包まれていた。
 釈迦堂PAでしばし休憩し、雪の中を走ってきたのが嘘のような好天の空の下を八ヶ岳に向かう。しかし、北杜市は夕方から雪らしいが、そのことを示すかのように灰色の雲がすっぽりと八ヶ岳を包んでいる。雪を運んできた雲に違いない。とはいえ、予報では18時ぐらいから雪ということなので、まだ2時間ほどの余裕がありそうだ。高速ばかり走るのにも飽いたので韮崎インターで下りて、七里岩ラインを走ることにした。走りなれた七里岩ラインも新車で走るとまた格別である。前を老人が運転する車がゆっくり走っていたが、今日は追い越しもせずにこちらもゆっくり走る。長坂が近づいたが、あまり快適なものだから、そのまま七里岩ラインを小淵沢まで走り、セルクルでパンでも買って帰ろうかとも思ったが、車を昨日から長坂駅の駐車場に置いたままであることを思い出した。早く家に帰り、バスで車を取りに長坂駅まで行かねばならない。明日でもよいといえばよいのだが、もし雪が大雪になったら大変だ。足を確保しておく必要があるだろう。5時に帰宅。すると、それを待っていたように雪が降り始め、道はたちまち白くなった。
 ぼくを北杜の師匠としゃれで呼んでくれている人がメールをくれて、白い髪をなびかせながら走って欲しいと書いていた。赤いオートバイ、雪、白髪の老人。まるで三題噺のサンタクロースだ。