あまり寒いので旭温泉へ(Jan. 5, 2012)

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 8時に外の寒暖計を見ると氷点下6度であった。屋内から見る限りでは明るく穏やかな日和に見えるのだが散歩に出かける気にもなれない。いつも元気に遊んでいる隣の三兄弟も静かだ。
 グレコ母さんは夕方帰ることになっていたので午前中がよかろうと思い、温泉へ行こうと誘ってみた。朝から?と聞き返されたが、そうね、寒いから行きましょうということになった。近くにも北杜市民ならば200円ほどでは入れる温泉もあるが、せっかくだから韮崎の旭温泉へ行くことにした。ぼくはときどき行くがグレコ母さんは久しぶりだ。
 韮崎までのドライブも楽しい。空高くに刷毛ではいたような筋雲が見られ、山々がくっきりと迫って見える。
 600円払って入湯。湯気を透かして窓から差し込む光がかがやく。いい雰囲気だ。複雑な味のする源泉を飲み、源泉で体を流し、湯に体を沈める。以前よりも湯の温度がいくぶん下がったように思えるが、長風呂するにはちょうどいい。源泉の鮮度がよいから体毛に小さな泡が無数につく。45分間ほど湯に使って出た。
 脱衣場で服を着ていると、一緒に入っていたおじさんがまるで最初独り言のように話しかけてきた。いつも同じ話を人に聞かせているにちがいない。昔大やけどをして、体に軟膏を塗ってミノムシのようになったが、ここと源泉の質が似ている佐野川温泉で湯治したら火傷した皮膚がむけて赤ん坊の肌のようにつるつるになった、ご覧の通り、もう肌はきれいで火傷の痕はすっかり消えてしまった、と肌を愛おしげにさすりながら話す。佐野川温泉ですか、ぼくも行きたいと思いながら近くは通ったことがあるけれどもまだ行ったことがりませんというと、もう一人の人が、あそこは行くのがたいへんだからなあという。おじさんがまた火傷の話を繰り返しそうなので先に脱衣所を出た。
 食事は来る途中にあったイタリアンの食べることにしたが、グレコ母さんに神代桜を見せたくて寄り道をした。オートバイツーリングでよく走った地区なので地図もナビも必要ない。以前この辺りで猿の群れに出くわしたなあと考えているとまた出くわした。神代桜のある実相寺は人っ子一人いなかった。桜の季節にはものすごい人出で近づくのも恐ろしいが、今日は近くで妖怪じみた桜の巨木を見ることができた。樹勢がもっとも盛んだったのは明治時代だったようで当時の写真を見るとほんとうに驚くほど枝を広げた巨木だったことがわかる。現在の神代桜は尋常ではない幹の太さを誇っているが、往時に比べれば萎んでしまって見る影もないようにも見える。