華やかに、しかしさびしく満開の桜が咲いていた(Apr. 11, 2013)

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 快晴であったが風は冷たかった。相変わらずの不調だが、桜の季節を逃してしまうのはもったいないのでカメラを4台持って撮影に出かける。といっても清春白樺美術館などは大変な人出だろうから行くつもりはなく、北の杜カントリークラブへ行く途中にある西蕪という地区にある桜並木をまず撮影に行く。少し時期を逸した感はあるけれども、甲斐駒ヶ岳など南アルプスの山々を背景に弧を描いた桜並木は美しい。カントリークラブへ行き来する車が通り過ぎるくらいで、あとは立派なカメラを三脚にのせた老夫婦とぼくが撮影しているだけで贅沢な花見になった。次いでカントリークラブの正門前の果樹園に咲いているサクラソウを見に行くと、今年も白い帯、ピンクの帯がきれいだった。さて、次はどうしようかと考えながら、小淵沢方面に向かっていると、石垣と瓦屋根のついた黒塀があるお寺があり桜が満開である。門に曹洞宗という木の表札がかかっているだけで他に名称がわかるものがなかった。ここにはぼく以外人っ子一人いなかった。誰にも見られることのない桜が華やかに、しかし寂しく春の陽に照らされているのは、むしろ桜の花のありかたとしては正当ではないかと思えた。瓦屋根と桜があまりにも絵になりすぎてつまらないといえばつまらないのだが、変に凝ってアングルを考えたりしながら撮る必要もなく楽しかった。明後日グレコ母さんが来るので見せたいが、もう散り始めていた。ふと見ると石碑があり、岸田國士の詞が刻まれていた。たまたまiPadKindleアプリで岸田國士訳ルナールの『博物誌』を読んでいるときだったのでその発見が嬉しかった。