青春時代の書庫を開く

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晩年体が不自由になった父は通販での買い物で気を紛らわしていた。家を継いだ弟がそんな父が買いためた食器や調理器具その他が大量にあり廃棄するつもりだが、必要なものがあれば自由に持って行って良いというので上野原市の実家へ行った。グレコ母さんと息子の嫁、そして孫は八王子からやって来た。
すでに大量に廃棄したそうだが、それでも裏の物置の一階にも二階にもまだかなり残っており、グレコ母さんと嫁とぼくとで必要なもの、使えそうなものを選り分けた。しかし、今日ぼくが実家に行こうと思ったのはもう1つ理由があって、三十数年前、ぼくがまだ実家にいた頃に裏の畑の一画に建てたプレハブの書庫をほんとうに久しぶりに開けようと思ったからだ。長い間放ったらかしにしておいたのは、住まいのも本が唸っており、どうにも動かしようがなく処置に困ってお手上げ状態だったからだが、弟にいつまでも迷惑をかけられないし、弟が雨漏りしているかも知れないなどというのでさすがに心配になったのである。恐る恐る書庫のドアを開けると、床には足の踏み場もないほど本が乱雑に積まれている。しかし、本たちがほとんど傷んでいないらしいのを見てホッとするとともに、高校時代から大学院の頃まで買い集め読み漁った本の背表紙を見て、よくぞ無事に風雪に耐えてくれたと感動した。青春の記念だ。