雨の裏磐梯を走る(Aug. 27, 2007)

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07年8月27日(ツーリング1日目)

 午前6時前に起床。卵ご飯2膳食べる。
 6時半に出発。薄曇り。日の出インターから入間まで圏央道を利用し、国道16号東北道の岩槻インターに向かう。中央道、環八、外環というのが通常のルートだが、いつぞや東北からの帰途、岩槻インターで下りて16号で帰ったら意外に早く帰れたのだ。そこで往路もたしかめてみたかったのである。だが、途中で後悔することになった。1時間早ければだいぶ様子も違っただろうが、通勤の車などが多く、渋滞とまではいかなかったが、信号で頻繁に停められ、熱気にも苦しめられたからである。また、道を間違えてあわててしまった。16号を走っているつもりが17号という標識が目に入ったからだ。ガソリンスタンドで給油ついでに道を聞けば、外側の車線を走っていたからでしょう、センターよりの車線を走っていれば自然に岩槻インター方面に行けますよとのことだった。
 岩槻インターには遅くとも8時半に到着の予定だったが、それやこれやで9時を過ぎてしまった。単調な東北道を走っていると、出立後一度も休憩していなかったのでさすがに疲労を覚えた。9時40分、佐野SAで休憩する。8月も終盤に近づき、駐車場は満杯というほどではない。木陰で休む。涼しい。蝉の声が姦しい。今夜の宿の予約を早めに取っておこうと思い、裏磐梯のペンションレーヴに電話する。3、4軒の宿の電話番号を控えていたが、1軒目で予約ができた。
 11時30分、那須高原SAに給油のために入る。佐野SAに比べるとよほど閑散として見える。朝食が早かったのでひどく空腹を覚え、レストランで食事をする。しっかり食べた方がよいだろうと、トンカツ御膳を頼む。SAの手前の電光掲示板によれば、国見付近雨、80キロ制限とあったが、カッパを着るべきかどうかしばし迷う。薄曇りではあるが雨は降りそうにない。結局、着用しないで出発した。
 しかし、SAを出て20分ほど走ったところ、矢吹というインターの手前で雨が降り出す。側道にSRを停めて、タンクバックにレインカバーをかぶせ、上着のファスナーをして、首から下げたデジカメを濡れないように上着の内側に隠した。走り始めると雨脚が強くなる。空は明るいので通り雨かとも思われたが、ちょうど鏡石PAがあったのでカッパを着るために入った。上着は防水機能があるのでズボンだけカッパを着用する。
 皮肉なことにカッパをはいて走りだすや雨脚は途絶えた。那須高原のガソリンスタンドで聞けば、福島西インターまでは95キロとのことだった。平均100キロ走行で約1時間、高速を走るのもいい加減飽きたころ、ようやく福島西インターに着く。午後2時である。西の方角を見れば先達山というのだろうか、磐梯吾妻スカイラインのあると思われる山が雲に包まれている。
 国道115号線を少し走り、県道5号線に右折、さらに少し走って今度は県道70号線に左折する。この道をまっすぐ駆け上がれば磐梯吾妻スカイラインだ。道は空いている。
 途中玉子湯という温泉があり、濃厚な硫黄のにおいがただよう。そこを過ぎるとスカイラインの料金所でオートバイは1100円徴収される。料金所のおじさんに天気のことを聞けば、午後1時山頂は雨が降っていたとのこと。しかし、空を見るかぎりでは明るく雨の心配はなさそうだ。
 車がほとんど走ってないのでワインディングをゆっくり自分のペースで上る。ガスっているために眺望があまりきかないのが残念だ。
 次第に山から樹木が消えうせ、荒涼とした風景が広がり出した。硫黄の匂いもする。浄土平が近づいてきたのだ。すれ違ったオートバイのライダーが頭を下げる。車も少ないが、オートバイはもっと少ない。浄土平の駐車場もがらがらである。
 さすがに山の上は冷える。高層湿原もあり、少し散策したかったが先を急ぐ。まだ色づきは見られないが、秋色の濃くなりつつある山道に響くのはぼくのオートバイの音ばかりだ。ときどき裏磐梯から上って来る車とすれ違うだけである。
 山をほぼ下り終わったところで道を右折し、磐梯吾妻レークラインへ向かう。人気のない寂しい風景が続く。車はさらに少なくなったように思える。秋元湖の湖北を走っているはずだが湖はほとんど見えない。ようやく三つの湖が眺望できるらしい場所に差しかかったが、ガスにかすんでいるようなので通り過ぎた。料金所で630円徴収される。景色も楽しめなかったのに高すぎないかと胸の内で思う。
 料金所を過ぎてしばらく走ったところで左折すれば五色沼らしい。左折する前に停車して地図をチェックしていると、ザーッと雨が降り出した。道路をわたったところにあるガソリンスタンドで給油し、今夜泊まることになっているペンションレーヴの場所を聞けばもうすぐそこだった。時刻はまだ4時、桧原湖を一周してみたかったが雨なのであきらめる。
 道路からダートの道を200メートルほど走ったところにレーヴはあった。ペンション村の一軒である。車が2台泊まっていたから他にも宿泊客はいるらしい。
 フロントで白髪の小柄なおじさんから2階の部屋のカギを渡される。夕食のことですが、他の客は全員1万円コースなので肉がちがいますが気にしないでくださいと言われる。こちらは9千円のコースだから違いは当然だと思うが、改めてそのように言われると何というか、釈然としない。よほど肉の差が大きいのだろうか。
 夕食は6時半だという。まだ2時間近くあるので五色沼まで散策することにした。夏のシーズンが終わり、紅葉のシーズンまではオフなのだろう。どこもかしこも閑散としている。大きく育ったススキが風に揺れているのを見ると寂しくなる。
 途中国民宿舎があり、入り口の立て看板に本日3800円と表示されている。9000円払って差をつけられるのならば、最初から国民宿舎にすべきだったか。素泊まりでもよかった。
 五色沼を散策するのは1時間以上かかるらしい。最初の何とか沼はひどく俗化した場所のようで、ちょうど店じまいの時刻だったから人気もなくてよかったが、さもなければ引き返したことだろう。青緑色の水をたたえた沼もとくにどうということはなかった。それよりも興ざめだったのは、この沼は個人の私有地にあり、写真撮影には料金を頂きますと書かれてあったことだ。すっかり観光気分が失せてしまった。
 散歩から帰った後は風呂に入る。風呂の後は夕食だ。たしかに差があった。ぼくの肉料理は鳥肉だったのに対し、外の客たちは米沢牛のステーキだった。しかも瓦焼するようになっているではないか。まあ、最近ぼくはダイエットのために夕食を控えめに食べることにしており、その点では鳥肉でかえってよかったといえる。
 今日の走行距離は意外に少なくて417キロであった。