九頭竜湖ツーリング2日目(May. 29, 2008)

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 5月9日。
 6時に目が覚めた。かすかに雨の音がする。カーテンを開けて見るとあまり大降りではないのでホッとする。朝食は7時から食べられるということだから、雨が降ってなければ宿の近くを散歩したいのだが残念だ。テレビが午後は雨が上がると嬉しい予報を伝えている。
 7時半に朝食を食べる。隣の席には昨日宿の写真を撮っていた青年がいた。オートバイは川崎ナンバーだったが、聞けば、京都に3日間滞在した後、実家ある直江津に帰る途中初めて高山に寄ったのだという。国道41号線で帰るんですねというと、そうだという。
 元気なおかみさんに宿代と久しぶりに飲んだビールの代金7800円支払い、8時半に宿を出発する。雨が少し激しくなったが、走るのに支障が出るほどではない。昨夜おかみさんに道を聞いたし、多少の土地勘もあるのでナビがなくとも大丈夫だろう。市内は車が多かったが、市外に出ると急に交通量が減った。途中、まだ100キロほど走れるほどのガソリンが残っていたが念のために満タンにする。
 飛騨清見郡上八幡の標識を見ると、雨の中九頭竜湖方面に行くのがちょっと億劫になり、せせらぎ街道を走って帰ろうかと気持ちがゆれる。しかし、せせらぎ街道はいつでも来ようと思えばこれるし、やはり最初の予定通りに国道158号線をたどることにした。
 清見から東海北陸道で白鳥まで走れば楽だろうが、ここは敢えて158号線にこだわった。もう7,8年前になるだろうか、白川郷に行こうと初めて清見から158号を走ったときのことを思い出したからだ。季節は確か9月のことだったが、緑の森を抜けるすばらしく気持ちのよい道だったのだ。そして、雨だったにもかかわらず、今回もそのときと同じように、いや、そのとき以上に快適に走れたのである。今日もほとんどすれ違う車がない。国道に沿って流れる渓流が美しい。右手の山の中腹には東海北陸道が走っているが、そんな道を走る者の気が知れない。
 道の駅桜の郷荘川で休憩しルートの確認をする。この道の駅に立ち寄るのは2度目だ。広い駐車場はがらんとしている。トランクの運転手に道の確認をするが九頭竜のことは聞いたことがあるけれどという程度のことしか知らないようだ。壁に貼ってあった地図で確認する。
 158号線を数キロ進むと、国道156号線に合流する。右に行けば白川郷で、左に行けば白鳥、そして九頭竜への分かれ道がある。右に曲がると、狭い山道になる。峠を越えると、急な下り坂である。どうやら高原地帯のようでそれらしいレクリエーション施設などもある。国道156号線は158号線でもあるようだ。道の駅白鳥でもう一度ルートを確認する。ここも駐車場は閑散としている。ショップの若い女性店員に聞けば、5分ほど走ればループ橋があり、それを行けば九頭竜だという。
 ループ橋を渡ると急な山道になった。道は狭く車はまったく走っていない。確かに国道158号線なのだが、どうやらループ橋を渡ったら、新しく出来たバイパスに入るべきだったようだ。幸い道はさほど荒れていなかったのでよかったが、何か動物にでも遭遇しそうな道だった。
 九頭竜湖畔を走る158号線は快適な道だった。ところどころにスノーシェッドがあるということは雪がかなり多いということだろうか。九頭竜湖はいかにもダム湖で、山の渓谷の形に広がっていた。大きいダムだ。沈んだ村はあったのだろうか。小雨が降っていたが風がないので緑の湖面は静かで山々をきれいに映している。ところどころにキャンプ場やら何やらの施設があったがほとんど観光化されていないようだ。
 石積みのダムを見てさらに先に進む。標識には大野市の文字が目立つ。ダムの下流に村落があり、その中心らしいところに道の駅九頭竜があった。時刻は11時を回った。少し早いが昼食を食べようと思ったが、道の駅の店はすべてお休みだった。自動販売機の補充をしていた人に聞けば先には食堂はないのではないかという。見れば、道の反対側に食堂喫茶があり営業中だったのでそこで食べることにした。
 ソースカツ丼を食べる。旅に出てから食べ過ぎのきらいがあるが仕方ないだろう。店主にルートの相談をする。今回のツーリングの目的は実は九頭竜湖ではなく、越前海岸を走ることであったがそれはもう断念していた。相談は帰途のルートで、昭文社のマップルを信じないわけではないが、道路も生きており、最新の情報は地元の人に聞くしかないのである。考えていたルートは、大野市から金沢市に向かうか、琵琶湖に下るかどちらかであったが、どちらにせよ、下道で行くとすればかなりの時間がかかりそうだ。店主が福井まで行き、そこから北陸道で帰ったらどうですかとアドバイスしてくれたので目から鱗が落ちた。下道にばかりこだわっていたので袋小路に陥っていたのだ。
 九頭竜から大野市までの国道158号線もなかなかよかった。大野市は青い田圃や金色の麦畑が広がるいかにも豊かな土地だった。国道は市街地の周辺を走っており、田圃の向こうに大野市の家並みが見えたがなかなかすてきな場所のようだった。今度は一度ぜひとも宿泊したいものだ。天候も回復してきた。
 国道158号線をたどり、午後1時福井のインターに到着。それにしても、今回のツーリングは国道158号線を走るための旅だったのではないか。松本から福井まで繋がっているのだからなかなかのものだ。
 北陸道を富山まで走って、国道41号線で奥飛騨に出て、松本に抜けて帰るというルートはすでに固まっていた。高速を走るのは味気ないがこの際仕方ないだろう。気温が上昇し疲労も蓄積されてきたので尼御前SAで休憩することにした。このSAは外に出ることができて、尼御前崎が見られるというので早速行ってみた。大した崖でもなかったが、山間部ばかり走っていたので青い海が見られて幸せだった。
 カッパのズボンを脱ぎ、少し薄着になって出発。金沢までの北陸道は左手に日本海が広がる快適な高速だった。オートクルーズを100キロに設定して走る。
 金沢から富山までは田園風景を楽しみながら走る。富山は持ち家率が日本一だということだが、田圃の中に点々と人家が散らばる様子は、人家を囲む樹木といい、独特の景観を作っている。
 富山インターからは国道41号線で奥飛騨を目指す。途中、細井という道の駅で休憩し、五平餅などを食べる。市街地が長く続いたが、道が山に分け入ると、深い渓谷の続く眺めのよい快適な道になった。
 神岡で国道471号線に右折平湯を目指す。この471号線も走り甲斐のある道だ。高原川もきれいである。
 安房トンネルを抜けて、昨日のルートを逆に家を目指す。再び天候が崩れ、気温も低くなってきた。
 帰宅は8過ぎ。2日の走行距離は880キロ。1日目は270キロだったから、2日目は600キロ以上走ったことになる。