夢を見た

リュージュのようなものに仰向けに横になっていると、誰かが急に歓声を上げ押された。眼前に雪山の風景が広がり、二本のレールが谷に向かって伸びている。と、今度は別の誰かが毛むくじゃらなものを顔の上にのせてきた。スタポンだな。においでわかる。おい、尻を向けるんじゃないと、スタポンを顔から引き離そうとするが、前足でしがみついて離れようとしない。スタポンをようやく顔から離して見ると、トンネルへ入るところだった。トンネルを抜けると、抜けたというよりもトンネルが消えてしまったのだが、顔の上に何かがぶら下がっている。息子の顔が笑っている。もう一人は姿は見えないが弟だ。息子が下げていたのは折詰の弁当だった。
居間の寝椅子で目覚めると昼近い時間だった。スタポンが腰の上あたりで眠っている。夢だとわかっていたけれども、息子や弟がおらず、弁当もなかったのでがっかりした。これで4日間人と口をきいてない。薬も尽きるが、明日も動けるかどうかわからない。