友遠方より来る(Nov. 22, 2017)

 朝9時、予定通りに給湯器の修理におじさんが来てくれる。配線のみの修理だとのことだったので修理賃は安くすむと喜んでいたのだが、呼ばれて行ってみると、給湯器の基盤が壊れているという。しかも、もう同型の基盤は数年前に販売がなくなったという。つまり給湯器をこうかんしなければならないということだ。風呂の追い炊き機能のある機種は三十数万円だというので腰が砕けそうになった。すぐに見積もりを作ってくれたが、給湯器は割引があったものの、手間賃やらなにやらで結局四十万円近くになり、再度腰が砕けそうになる。おじさんは実直な人だし嘘偽りのない見積もりだろう。給湯器がなければ、風呂にも入れない、凍るような水で洗い物もしなければならない。もう逃れられない。痛い出費だが我慢しなければならない。
 午後暗い気持ちで仕事に行く。一仕事終えた後、短い会議が一つ、次いでいつも憂鬱な気分になる長い会議がある。懸案が承認されたのはほっとしたが、いつものようにやはり鬱々とした気分が抜けない。
 会議は3時間近く続き、外に出るともう夜で雨が降っている。どこかでうどんでも食べようかと思いながら車を運転していたが、会議中に沖縄に移住した元同僚から電話が入っていたことを思い出した。車からハンズフリーで電話をかけてみると、懐かしい声がして、今、甲府の家にいるという。彼の甲府の家は車の向かっているのとは反対方向だ。ほんとうに久しぶりで誰よりも会いたい一人なので明日甲府に会いに来ようかと思ったが、明日は東京へ行くので会えないという。それではもう一度職場の方にもどり、ファミレスで食事をすることになった。
 もう70歳も半ば近くになろうというのに昔とあまり変わらない。トイレが近くなったのはぼくと同じだ。開口一番、この5月に猫が死んだという。2年ほど前に死んだわが家のスタポんの兄弟だ。八王子のわが家から西東京市に、それから沖縄まで行ったわけだ。スタポんも長生きだったが、もっと長く20年という長寿を全うしたわけだ。老衰で亡くなったというが、最後までトイレに立って行き用を済ませたという。3時間近く楽しくおしゃべりをした。会議の疲れも憂鬱も吹っ飛んだ。
 今日は写真を撮る時間がなかった。