恩方から旧甲州街道を散策する5ー金魚に会いに行く(Aug. 31, 2006)

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 興慶寺から陣場街道をさらに奥に行く。途中、陣馬山の麓から和田峠に抜ける道と旧甲州街道との分かれ道があり、右側の旧甲州街道に向かう。旧甲州街道というが地元の人がいつか教えてくれたままを書いているのであって、ほんとうにそうなのかどうか不明である。しかし、現在は車での通り抜けはできないが、道はあきる野市方面に通じているようだから、この道がかつての街道であったことはありうることである。それに道にはどことなく街道筋を思わせるような雰囲気がないこともない。
 分かれ道のすぐそばにあった商店の自動販売機でペットボトルのお茶を買う。車の移動がほとんどだが、山寺にも登ったし、気温も高いので猛烈に喉が渇いたのである。しかし、この旧甲州街道を少し入ったところにある杉林の中に美味しい水が湧き出ている場所があり、ほんとうはそこまで我慢してもよかったのだが、そのペットボトルを空にすれば酌んで帰れるだろうという腹があったのである。実は、大きめのペットボトルも車に積んであったが、ほんとうにやわらかい美味しい水なので少しでも多く酌みたかったのである。
 薄暗い杉林の中は涼しかった。いつもは必ず1、2台の車が駐車しており、大きなポリタンクに水をつめている人がいるのだが、今日は誰もいない。山の斜面に杉の木が林立しており、そこに木漏れ日が差し込んでいてきれいだったので、水を酌む前に写真撮影をする。プラスチック製の樋から流れ落ちる水に触れる。手ですくって水を飲み、顔を洗う。水量が豊富なのでペットボトルはたちまちいっぱいになる。
 湧き水が出ている場所から少し奥に車を駐車して歩く。人家がぽつんぽつんとある。左は清流が流れている。道は狭いが、奥にもまだ人家があるので車やオートバイがときどき通る。郵便配達の人が涼しい木陰で一服している。ちゃんと左手には携帯の灰皿を持っている。すでに知ってることではあったが、まだ奥に家はあるのですかなどと聞いてみる。かなり奥まで入れるが、車は途中から引き返さなければならないという。
 少し奥に人家があり、そこが目的である。その人家の前にコンクリート製の直径1メートルほどの土管が立てられており、その中に金魚が飼われているのだ。水道(といっても川の水を汲み上げているのではないか)の蛇口から水が注ぎ込まれ、水草の中で金魚たちが元気よく泳ぎ回っているのを見たかったのである。
 金魚たちは元気にしていた。相変わらず涼しげに水草の中を泳いでた。蛇口から落ちる水がきらきら光っていた。何て幸せな金魚たちだろう。前回訪れたのは一ヶ月ほど前だったが、金魚たちはいくらか大きくなったように見えたのは錯覚だろうか。