長い散歩2-高原電車を楽しむ(Dec. 27, 2011)

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 初めての道であったが、予想通りの道に出た。後は別の道を選んで引き返すだけである。しかし、南アルプス連山がきれいだったのでもっとよい撮影ポイントはないかと道を逸れたことでまたもや初めての道を見つけてしまった。その道もどこに通じているかおよそ予想がついたが、その道が通じていると思われる集落の辺りを前々から歩いてみたかったものだから、帰途が大変だということはわかっていたけれども誘惑には勝てなかった。
 八ヶ岳南麓はなかなか複雑な地形である。森や林があり、田畑があり、家々が点在している。いわゆるやととかやちとかいわれるような入り組んだ小さな谷がそこかしこにあって、そこを曲がりくねった細い道が縦横に走っているので散歩していても飽きない。気がつけばもう家からかなり離れた所におり、ずっと坂を下ってきたものだから、もうさすがに長い坂を上って家に帰る気持ちにはなれなかった。
 ここまで来たのだからもう長坂駅まで行った方が早いだろう。長坂からJRで小淵沢小淵沢から小海線甲斐小泉と電車を利用した方が楽だろう。携帯の路線情報を調べたら、30分後に長坂駅を出る電車に乗れば11時半過ぎぐらいに家に帰れそうだ。そこで急いで長坂駅に向かうことにした。
 時間は間に合ってもギリギリだろうと思ったので多少急ぎ足で歩いたが、初めて歩く道なものだから、富士山が見えたといっては立ち止まってパチリ、また何かめずらしい風景を見てパチリ、徒歩は一向に捗らず、結局電車には乗り遅れてしまった。
 また携帯の路線情報で調べると、甲斐小泉に行くには2時間待たねばならないことがわかった。JRの電車の本数はそこそこあるが、小海線が2時間に1本ぐらいしかないのだ。しかたなくバスで帰ろうと時刻表をみたら、やはり次のバスは2時間後である。駅前にはタクシーが3台ほど客待ちをしていたが、2千円取られるのはもったいない。
 仕方がないので駅前の図書館で時間を潰すことにした。エッセイの棚を眺めていたら内田百間の『大貧帖』があったので読む。読書の途中何度も居眠りをしているうちに時間はたちまち経過した。
 長坂から小淵沢間のJRに乗るのはほんとうに久しぶりである。現在は通勤のために乗り降りする駅は長坂駅だが、こちらに移った最初の頃は、小淵沢の無料駐車場に車を置いて通勤していたのである。小海線に乗るのも同じくらい久しぶりだ。小海線の電車がせめて1時間に一本、もっと本数があれば、気候の良い季節などは小海線で通勤というのにあこがれてもいたのだが、現状ではとても無理で、やはり移ってきた最初の頃に2,3度乗ったキリだったのである。
 清里辺りへ行くのだろうか、小海線は案外客が多かった。久しぶりなのでちと恥ずかしかったが、子どものように窓ガラスに額をくっつけるようにして電車の右左の車窓風景を眺めてしまった。カフェオトノの店主に野辺山駅側の歯医者を教えてもらい、小海線で歯医者通いもいいなと思っていたのだが、昨日の歯痛でそれも叶わぬ夢になってしまった。