古本屋づく(Mar. 23, 2016)

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 寒の戻りで寒い一日だった。
 家にいても寒いし、ストーブで薪を燃やすのももったいないし、昼食後は外出することにした。昨日高遠の古本屋へ行ったことで久しく封印していた古本屋熱が再発したのかもしれない。ネットで調べると富士見町と茅野市に1軒ずつ古本屋があったからである。
 富士見町の古本屋は思わず通り過ぎてしまった。庭へ入る入口に小さな板に店名を書いたものがあったが、古本屋とは見えない普通の人家がぽつんとあっただけだったからだ。ネット販売でもしているのだろう。
 茅野市の古本屋はナビの案内に従って行ったが最初見つからなかった。諦めてその先にあったブックオフで本を漁り、その帰りにナビが示した場所のあたりを注意してみると道路から少し奥まったところに古本という看板があった。
 店の前に駐車場らしい場所があったので車を停めて店の入口へ行ってみると、入口の前は半ばダンボールの空き箱で塞がれているし、ガラス扉の奥は本がぎっしり詰まった棚が並んでいるが店内は暗く、閉店したのかしらと思いながらドアを押すと軽く開いた。ドアの左手すぐにレジがあり年配の人が狭い場所にうずくまるようにしていたが、こんにちはと言ってもこちらを見るわけでもなく返事をするわけでもない。気難しい古本屋の店主だろうか。ならば返って邪魔されることなく本を漁りやすいというものだ。
 店内は予想よりも広く、しかも人が横にならなければ移動できないほどの間隔で並んだ本棚には圧倒される量の古本がつまっている。例によって端から端まで本の背表紙に眼を走らせる。よい本が並んでいる。ブックオフにはない懐かしい名著の数々がある。大体ジャンル分けしてあるが、雑然と並んでいるところが嬉しい。所持金はあまりないので何冊も買うつもりはなかったが、宇都宮貞子の本(長野の古本屋で初めて見つけた)とヴァレリーラルボーの文庫など3冊を購入。
 お金を払いながら、休業日はいつですかと聞くと月曜だだが、でも、休みの日以外でも仕入れなどで店を開けることが多いですという。口をきいてみると気難しい感じはない。八ヶ岳南麓に移る前は八王子にいて松岡書房や佐藤書店へよく行きましたというと、私も1年ばかり八王子にいて、松岡さんとはよく一緒に今でも仕入れに行きますという。やはりネット販売が主のようだ。だから店内は客が快適に本を漁ることができるような配慮がされていないわけだ。倉庫なのである。
 しかし、いずれにせよ、いい場所を見つけた。天候のすぐれない日など無聊をかかえたらまたのぞきに来よう。